とある女性専用の旅行掲示板で「36ぷらす3に乗りたい人いませんか」と声をかけてもらい、参加することにした。
昨年12月の一人旅で愛媛に行った際に観光列車「伊予灘ものがたり」に乗りたかったが、週末しか走行していなかったため、日程が合わず断念した。なので今度こそは乗らなくては・・!
観光列車「36ぷらす3」は木曜日~日曜日にかけて運行していて、全部乗ると九州7県を周遊できるというもの。全てがグリーン車で、複数人で申し込みすれば個室の予約も可能。
わたしは木曜日(博多⇒熊本⇒鹿児島中央)ルートと金曜日(鹿児島中央⇒宮崎)ルートを2日連続して乗ることにした。
2/1(水)
前乗りで東京⇒博多に行き、はじめての福岡を少しだけ観光する。福岡空港から電車で太宰府駅まで約1時間。参道で買った名物「梅ヶ枝餅」を食べながら太宰府天満宮まで足を運んだ。写真には写っていないが、外国からの団体客などもいて、賑わっていた。
すぐ近くにあるガラス張りの美しい建物、国立博物館にも寄ってみた。こちらは空いていた。
福岡も寒い日が続いていたらしいが、この日は珍しく暖かい日だったので、福岡オープントップバスの「福岡きらめきコース」を申し込んでみる。屋根のない2階建てバスで観光スポットを巡る夜コースだ。
バレンタインデー・デザインの福岡タワーや、博多ポートタワーなど、写真をたくさん撮ったが、走行中の写真は当然ながらブレブレになっていた。上の写真は、信号待ちで撮った博多駅の様子。
日中は暖かかったとはいえ、2月の夜である。80分間、風に当たって身体は冷えきり、鍋を食べることにする。
もつ鍋なら本場福岡・博多で創業45年の『元祖・もつ鍋楽天地』
宿泊する三井ガーデンホテル福岡祇園のすぐ近くにある店に入る。生ビール、一人用もつ鍋とちゃんぽん玉を注文。もつ鍋初心者なのがバレバレだったのか、火が通るまでスタッフが面倒をみてくれた。写真の通り、かなりの分量で、お腹がはちきれそうに。
2/2(木)
博多駅出発は10時なので、ホテルでゆっくり朝食をとり、出かけることにする。改札は申し込み時に送られた来たメールを見せるだけでOK。
食事付きプランなら乗車日の1か月より前でも予約できる。わたしは5号車の一人席を予約した。
特別感を演出してくれる素敵なデザインでしょう?
こちらは4号車で、フリースペースとなっている。開放感があり、ほかの号車よりも明るく感じられる。
熊本駅に到着する前に、玉名駅で停車する。ほかの観光列車はどうか知らないが、この「36ぷらす3」は、途中下車し、地元の人とふれあえるようになっているらしい。列車の停車時間に合わせて地元の人が名産や手作り品などを販売してくれるのだそう。
実はここに到着する前に、名産アピールのため列車に乗り込んでいた熊本県の職員の人から、駅ホームで売っている商品を紹介してもらっていたので買う気満々だ。
わたしは、オリーブオイルのドレッシングとハンドクリーム、それから不知火(しらぬい)を購入。この不知火は清見オレンジとポンカンをかけ合わせた品種ということで、甘さと酸味のバランスが良く、とてもみずみずしくて美味しかった。近所のスーパーでは売っていないのかしらん。探してみよう。
熊本駅では、この列車を教えてくれたAさんが乗り込み、合流する。熊本を出ると、ランチタイムだ。
個室とは別メニューだそうだが、こちらのお弁当も豪華、そしてこのボリューム。3号車のビュッフェで買った日向夏(ひゅうがなつ)というクラフトビールとともにいただく。
しばらくすると「肥薩おれんじ鉄道」へ入る。これはなかなかレアなんだそう。そのあと車窓から見えるのはオーシャンビューとなる。
次のおもてなし駅「牛ノ浜駅」に到着。
駅前の道路の向こうは見渡す限りの海が広がっている。四季折々に撮った写真の展示にしばらく見入ってしまう。
そして、予定通り、16時26分に鹿児島中央駅に到着。10時から乗車していたのに、途中停車駅で降りたり、ランチをとったりして、意外だけれどあっという間だった。
その後、Aさんといっしょに電車で指宿まで行き、同じホテルに泊まった。夕食では今日の列車旅のことで話しがはずみ、楽しいひと時を過ごした。
2/3(金)
指宿から鹿児島中央までに乗る予定の「指宿のたまて箱」の出発時間までに少し時間があるので、普通鉄道の日本最南端駅「西大山」まで行ってみることに。ホテルでタクシーを呼んでもらう。通常なら15分くらいで駅に到着するそうだが、その日は事故があり渋滞していたため少し時間がかかったが、運転手さんが機転をきかせ迂回してくれたおかげで時間に間に合った。
駅からは、田園風景の向こうに美しくそびえ立つ「薩摩富士」とも呼ばれる「開門岳」を望むことができる。わたしたちが着いたときには先に到着して写真をとっている人がいた。たしかに写真を撮りたくなるスポットであることは間違いないでしょう。
少しすると電車がやってきた。この9時11分発の電車に乗らないと、次の上りは14時過ぎになってしまう。
切符を買わないで電車に乗るのは初めて。清算は指宿駅ですればよいのだそう。
指宿から鹿児島中央までは「指宿のたまて箱」という特急列車に乗る。全席指定席なので、「えきねっと」で乗車券・指定席券を購入しておいた。
特急指宿のたまて箱 | JR KYUSHU D&S TRAINS D&S列車の旅
白黒のツートンカラーは、黒髪だった浦島太郎がたまて箱を開けたら白髪に!というイメージなんだそう。そういえば、駅前にあったポストも同じ白黒カラーだった。外側は白黒でも、わたしが乗った2号車は明るいインテリアで統一されていた。
窓を向いている席だったからか、結構揺れるため、わたしは途中で酔ってしまった。酔いやすい人は酔い止めを飲んでおくと良いかも。
鹿児島でAさんと別れ、わたしは2日目の「36ぷらす3」に乗車する。金曜日ルートは12時17分発なので、乗り込むとすぐにお弁当だ。
金曜日ルートのテーマカラー「黒」を意識したお弁当になっているのだとか。おかずの真ん中にあるのは宮崎地鶏の炭火焼で、見た目では何だかわからなかったが食べてみると美味しい。食べているうちに、先ほどの酔いは全くなくなった。
1時間ほどで、おもてなし駅「大隅大川原」に到着する。
ここで、鹿児島産さつまいもで作った芋かりんとうと、味見して美味しかった末吉製茶工房の粉末緑茶、それからカフェで売っていた手作りのスイートポテトを購入する。本当はカフェで何か食べたかったけれど、お弁当を食べたばかりで余裕なく。
2度目の停車駅は「青井岳」。
金曜日ルートの停車駅は昨日よりずっとローカル色が強い。この列車に乗らなければ、行くことはなかったであろう駅の風景に感動した。
宮崎に着いてからは、飛行機の時間まで少しだけ時間があったので、駅の観光案内で紹介してもらった宮崎神宮に行き参拝した。思った以上に敷地が広くて帰りの電車に間に合うかドキドキだった。それと、乗った電車が2両編成で片側の1両はドアが開かず、これまた焦ってしまった。開かない車両があるなんて思いもよらないでしょう?
2月の宮崎は野球のキャンプ地ということで空港では各チームのユニフォームが飾られていた。きっと、多くのファンが訪れるのでしょうね。
わたしは電車内では持参した文庫本を読むことが多いのですが、今回は読むことを忘れて車窓を楽しみました。列車目的で旅に出るというのもありですね。ローカルな在来線もいいかも。旅の選択肢が広がったような気がします。